Water Research誌に論文が掲載されました。

長年継続している,途上国に広がる分散型生活排水処理施設である腐敗槽(Septic tank)の論文が水分野のトップジャーナルのWater Research(IF=12.4)に掲載されました。ここ数年取り組んでいた,腐敗槽からの温室効果ガス(GHGs)定量に関するES&T論文,腐敗槽からの排出量推計に関するES&T論文(既存のBOD除去率では適切に推計できない)に続く,3つ目の論文です。ベトナムのハノイを対象として,劣悪な状況にある腐敗槽と下水管路は現状の都市サニテーション・サービスチェーンからのGHGsの主たる排出源であること,腐敗槽の運用改善は即効性のある現実的なGHGs削減策であること,下水道整備と腐敗槽のあり方の違いにより都市サニテーションのGHGsの種類・量・出所がどう変わるか,を示したことが主な成果です。非管路型サニテーションを用いたCWIS(都市の包摂的なサニテーション・サービス)におけるGHGs削減のあり方を考える上での基盤になるものです。

京都大学大学院 アジア・アフリカ地域研究研究科 (ASAFAS) / 京都大学アフリカ地域研究資料センター (CAAS)
水・衛生と環境の研究グループ(原田研究室)